敵兵を救助せよ!―英国兵422名を救助した駆逐艦「雷」工藤艦長



敵兵を救助せよ!―英国兵422名を救助した駆逐艦「雷」工藤艦長
敵兵を救助せよ!―英国兵422名を救助した駆逐艦「雷」工藤艦長

ジャンル:歴史,日本史,西洋史,世界史
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武士道は軍人としてあるべき姿だ

工藤艦長の功績については、この本で初めて知った。
「敵兵を救助するということ、それはジュネーブ協定やハーグ陸戦協定を云々言う前に人道的見地すなわちヒューマニズムの観点から見ても当然のように思われる」・・・などという考えは平時の一般人が口にする言質。戦時では、そう簡単な話ではない。捕虜救出中でさえ、敵艦からの攻撃を受け、下手をすれば乗員を危機にさらすことになる。また捕虜のために多大な物資の供給が必要ともなる。このような状況で敵兵を救出するか、放置するかの決断は決して簡単なものではない。戦時という究極の局面・状況下で救出を命じた工藤艦長と駆逐艦「雷」兵士乗員に敬意を表すとともに、日本人として彼らを誇りに思う。
テーマは良いのだが

困難な状況でも自分が正しいと思うことを実行できた人の実話が知りたくて購入した。
テーマは大変良いのだが、筆者の帝国海軍に対する憧憬と感傷的な表現がややしつこく感じる。旧海軍はよく陸軍より善玉扱いされるものであるが、
美徳ばかりではないはずであり、稀な個人の行為の原点を特定の組織に求めすぎているのではないか。海軍、英国に対する記述がロマンチックすぎるのが残念。
兵学校教育の真髄を垣間見る一作

著者が本書を上梓するきっかけは、副題にも掲げられている駆逐艦「雷」を指揮した工藤中佐の足跡を追うことだったという。敵潜水艦が行動する海域で1隻だけ救出活動を展開することは、たとえ国際法により認められている行動とはいえ、人によっては危険極まりない愚挙と判断するかもしれない。その危険を冒して、敢えて救出の命令を下した指揮官とは、どのような人物だったのか。著者でなくとも、後生の者ならば誰しも疑問に思うことだろう。
その謎を解く鍵は、彼を含め兵学校第51期生およびその前後の期が受けた、現代の基準から見てもうらやむほどのジェントルマン教育にあった。厳しい規律のなかにも明朗さを失わせず、幅広い教養を持たせようとした兵学校の方針は、当時校長だった鈴木貫太郎が後年語ったように、将来の海軍を…あるいは国家の舵取りを…担うだけのポテンシャルを生徒たちに身に付けさせることを究極の目標としていた。任官以後の工藤中佐や同期生たちの遍歴は、まさしくその教育の賜物であるといえる。
「最後の海軍大将」井上成美は、戦争中に兵学校校長を務めた折、「兵学校は、丁稚教育の場所ではない」として、教養教育重視の方針を貫いたことで知られるが、本著を読むことで、彼の真意を改めて思い知らされた。阿川弘之の「海軍三部作」をご覧の方ならば、必ずや本著の意義を理解できるはずである。
武士道とはそもそも自己矛盾を内包するもの

 近現代の戦場において、いわゆる騎士道精神が発露された場面というのはたびたび散見されます。日本の「武士道精神」が戦場で発露された場面もこれに止まりません。
 思うに、戦場において矛盾とも思えるこうした行動は、実際に現場で人間と相対してはじめて理解できるものなのかもしれませんが、こうした矛盾した部分にこそ、人間性がみられ、だからこそ、そうした精神を美しいと感じられるのではないでしょうか。
 敵兵を効率よく殲滅することこそが戦争の唯一の目的と考えるのは、実際の人間と相対することのないテレビゲーム的発想としか思えないのです。しかしながら、最近、こうした類似の発言を他でもよく散見します。日本人の美意識が損なわれつつあるという危機感を感じるのはわたしだけでしょうか。







草思社
戦場の名言―指揮官たちの決断
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驕れる白人と闘うための日本近代史




敵対水域―ソ連原潜浮上せず (文春文庫)

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哲学、女、唄、そして…―ファイヤアーベント自伝

鉄から読む日本の歴史 (講談社学術文庫 (1588))

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鉄道忌避伝説の謎―汽車が来た町、来なかった町 (歴史文化ライブラリー)

鉄砲を捨てた日本人―日本史に学ぶ軍縮 (中公文庫)

鉄砲狩り (光文社時代小説文庫)




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